東北大学災害科学国際研究所(越村俊一所長)は7月31日、最大震度7を観測した「26年熊本地震」の速報会をオンラインで開いた。約300人が視聴した。10年前の熊本地震後に断層へ応力が加わり、地震が発生しやすくなっていた範囲で、今回の地震が起きたことが報告された。
福島洋教授は、16年の地震直後から日奈久断層に大きな応力が加わっており、「地震の発生確率は16年の熊本地震直後に跳ね上がり、その後は低下すると予想されていた。断層にかかる力が依然として高い中で今回の地震が発生した」と説明した。
同断層帯の南部と雲仙断層帯でさらにひずみが蓄積していることも判明。「ただちに次の大地震が起きるという意味ではない」としながらも、「断層周辺の変化をこれまで以上に注意深く監視する必要がある」と警鐘を鳴らした。南海トラフ地震との関連はなく、阿蘇山の火山活動への影響も小さいとの見解を示した。
速報会では▽地震発生場と余震活動▽地殻変動観測▽地震動特性▽26年熊本地震における建物被害の初期整理と現状把握▽マルチモーダル被害解析▽文化財レスキュー▽熊本県内医療機関の被災状況と医療対応▽2度目の熊本地震に際して-の8テーマを報告した。
熊本大学からも研究者2人が参加した。竹内裕希子副学長は、地震発生直後から現在までの対応や交通状況などを説明。「これから長期にわたる復旧・復興に向け、多くの方と連携していきたい」と話した。
地震発生から3日の開催で、被害の全容が明らかになっていない中、越村所長は「私たちに今できることは、あらゆる方法でデータや情報を収集し、地震のメカニズムや被害状況について研究力を総動員して分析・解明し、成果をできるだけ早く共有することだと考えた」と訴えた。速報会の模様は、東北大災害科学国際研究所のYouTubeチャンネルで公開する予定だ。








