昨年12月施行の改正建設業法で労務費と併せて確保すべき必要経費の一つとなった安全衛生経費を巡って、適切な費用計上につなげるための各専門工事業団体の取り組みが広がってきた。85団体を対象に国土交通省が3月に聞いた結果によると、個々の安衛対策の実施主体を元下間で明確化する対策項目の「確認表」は約5割の40団体(昨年5月時点34団体)、安衛経費を内訳明示する「標準見積書」は約3割の23団体(13団体)で作成が完了した。
安衛経費は改正業法に基づき、見積書で内訳明示すべき費用の一つと位置付けられ、著しく低い額での見積もりや減額依頼の規制対象となっている。
法施行直前の昨年10~11月時点で国交省が建設業許可業者に行ったウェブ調査(有効回答6051者)によると、安衛経費を内訳明示した見積書を提出している業者は公共工事で24・6%(前年度23・7%)、民間工事で20・8%(18・6%)だった。提出状況はやや改善したが、依然として低水準にとどまる。
同調査では、見積書に安衛経費を適切に計上した業者のうち公共工事で78・9%、民間工事も77・4%が、見積もった額の100%を減額されることなく受け取ったと回答した。まずは受注者・下請側から、必要額を見積もって提示することが重要なのは明らかだ。
現状は公共、民間工事ともに半数の業者で、安衛対策の実施・費用負担の役割分担が明確化されていない実態がある。各団体が用意する確認表の活用などを通じ、元下・下下間で実施・費用負担の認識の隔たりを解消することが、見積書作成の前段階で必要になる。
確認表は85団体のうち7団体が作成中で、18団体は作成を検討中。次のステップとなる標準見積書は13団体が作成中で、26団体は作成を検討している。いずれも4分の3の団体は作成に前向きな姿勢がうかがえる。
国交省は元請・下請、一人親方、公共・民間の発注者、個人施主向けのリーフレットをそれぞれ用意。安衛経費を確保する重要性の周知に取り組む。








