1923(大正13)年に発生し、死者・行方不明者が推定10万5000人に上った関東大震災から1日で103年が経過する。犠牲者は阪神・淡路大震災、東日本大震災をはるかに上回り、国内の都市防災を考える上で原点とも言える出来事だった。まちづくりを担うデベロッパーは、高い確率で発生が予想される首都直下地震に備え、ビルや設備などの性能を強化。エネルギーセンターも設け、停電対策にも取り組んでいる。
地震と共に発生する「長周期地震動」は、高層ビルを長時間にわたりゆっくり大きく揺らす。ビルを建てるデベロッパーにとって対策が欠かせない。三井不動産は高さ210メートルの新宿三井ビルディング(東京都新宿区西新宿)屋上に超大型制震装置を6基設置している。振り子式の重りを使い、振動エネルギーを吸収する。
東京千代田区で高さ385メートルの「Torch Tower(トーチタワー)」を建設中の三菱地所は、高層部の外周にブレース(斜材)を採用している。ダンパーなども使い変形を効率的に吸収。外周を強靱な構造にすることで建物の「太さ」を生かして揺れを抑える。森ビルはオイルダンパーや座屈拘束ブレースといった高度な制震装置を複数組み合わせることで超高層ビルの揺れを軽減している。
BCP(事業継続計画)の実効性の向上や在館者の安全確保には停電対策も重要になる。森ビルは主要ヒルズに都市ガスを利用した自家発電エネルギープラントを設置。六本木ヒルズ(東京都港区)では自家発電に加え、系統電力によるバックアップ機能や灯油のストックも用意し、3重の対策を立てている。
三井不動産は建設中の「東京ミッドタウン日本橋」(東京都中央区)で、高さ約284メートルのタワー棟の地下にエネルギーセンターを整備する。コージェネレーションシステムや中圧ガス発電を採用し、停電時でも事業継続を可能にする。周辺地区へのエネルギー供給も検討する。
丸の内エリア(東京都千代田区)の地下30メートルには三菱地所が全長250メートル、内径約3メートルの耐震性に優れた洞道を20年に構築した。従来各ビルを経由していた地域冷暖房用の熱供給配管を洞道内に集約。非常用電力自営線や通信ケーブルも敷設している。
今後30年以内に70%の確率で発生する首都直下地震。ビルの整備を含めたまちづくりを担うデベロッパーが果たす役割は大きい。今後も先端技術の活用に加え、防災訓練などによる人材育成に注力し、災害対策の実効性を高めることが求められる。










