極東開発工業/テクニカルセンターが本格稼働/研究開発の質とスピードアップ

2026年9月2日 企業・経営 [3面]

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 極東開発グループの新たな研究開発拠点が完成し、本格稼働を開始した。自動車関連企業が集積する愛知県豊田市に開設した「極東開発グループテクニカルセンター」で研究開発の質とスピードのアップ、グループのシナジー(相乗効果)最大化を図る。極東開発工業の布原達也社長は「研究開発能力を飛躍的に向上させ、革新的な製品開発で社会貢献し、世界をリードする特装車・トレーラーのメーカーに成長していく」と意気込む。
 ◇世界リードする特装車メーカーに
 同センターの所在地は豊田市御船町山ノ神56の4(敷地面積17・4ヘクタール)。大型のテストコースを中心に、三つの試験棟、試作・検査を行う工場棟、開発・品質保証部門が集う事務所棟で構成。各棟の構造はS造、総延べ床面積は5582平方メートルとなる。総投資額は107億円。設計・施工は矢作建設工業が担当した。
 建屋の前面に広がるテストコースの規模は全幅50メートル、全長600メートル。舗装はミリ単位の平たん度で施工された高い剛性の多層構造で、中央部には延長100メートルの特殊試験路(ベルジアン路・長波形路・可変突起路)を設置した。車両の走行・制動試験のほか、トレーラーの認証取得にも活用する。
 試験棟Aでは、腐食や温度・湿度など実使用時の環境条件を再現する各種設備、油圧製品の性能・耐久性を評価する油圧試験室により、製品や部品の各種試験を高精度に実施できる。
 試験棟Bには大小3台の振動試験機を配備。最大荷重1000キロまで対応し、より実車に近い状態での耐久性評価を短期間に行う。
 国内初の大型ロードシミュレーターを配備予定の試験棟Cでは、中・大型トラックに加え、トレーラーを実車状態で振動評価する。車輪間隔と軸間距離を車両に合わせて調整できる3軸対応の加振台、トレーラーの連結部を支持・加振する第5輪加振機を設置し、2027年4月までに稼働させる。
 工場棟には製品の試作設備や完成車両の法規対応検査設備を配備。設計・試作部門がより密に連携し、業務の効率化につなげる。技能検定ブースやテストコース全域を見渡す監視ルームも設け、試作・検査・安全管理を一体的に支援する。
 事務所棟は研究に集中できる執務空間、多分野の技術者が知見を交わす交流空間を創出。エントランスホールには可動状態までレストアした3輪ダンプトラック(1964年製)を展示し、将来の技術発展につなげるレガシーとして、創業当時の設計思想やものづくりの精神を学ぶ。
 現地で8月20日行われた竣工記念式典には官民の関係者らが多数出席。県の川出仁史経済産業局長は「この拠点が日本の産業と暮らしを支える技術革新の中核となることを期待する」と祝辞を述べた。
 極東開発工業の千々岩伸佐久執行役員技術本部長は「各拠点の技術者らが研究により集中できるセンターに集い、開発スピードが驚くほど速まる」と強調。グループの研究拠点にとどまらず、社会課題の解決拠点として外部連携や施設機能の拡充も見据える。