8月に就任した国土交通省の楠田幹人総合政策局長が日刊建設工業新聞社などの取材に応じた=写真。ここ数十年続いた「官から民へ」の流れに転換の兆しがあり、政府全体として「官が積極的に関与し、民間投資を引き出し、成長につなげていく」方向に移りつつあると指摘。政府がけん引する形で成長投資や危機管理投資を促進する動きに、省内各局の取りまとめ役として対応していく考えを強調した。
今年に入って中東情勢の影響でエネルギーや物資供給の不安が広がり、大規模な地震や水害も相次いでいる。政策面で経済安全保障や防災・減災の重要性が増す中、「国交省(が対応する領域)は幅が広い。各局の取り組みをサポートし、必要であれば互いに連携させ強化する。さらに分かりやすく発信することを心掛けていく」と抱負を語る。
重要課題の一つがインフラ老朽化対策だ。将来的に市区町村レベルで対応が難しくなる懸念などを背景に、従来のメンテナンスから「インフラ全体を戦略的にマネジメントしていくことを強調しながら取り組みを進めていく」考えを示す。
経済安全保障を強化する観点でエネルギーの需給体制を構築する「モビリティ・エネリンク構想」も打ち出す。多様なインフラ空間を活用し「エネルギーを作って、つないで、使う」一連の流れを構想に落とし込む作業を進める。
直近で不動産・建設経済局長を務めた経験から、建設業と不動産業が「まちづくりのパートナーとして課題を把握し合って解決し、社会に貢献する」ことを期待する。成長投資分野の設備投資を下支えする建設業の役割や期待も大きくなっていると指摘。担い手確保と生産性向上へ「不動産業も含めた受発注者の協力が重要だ」と話した。









