回転窓/上高地のインフラへの心遣い

2026年9月10日 論説・コラム [1面]

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 北アルプスを代表する登山口の上高地(長野県松本市)が、今年の夏山シーズンもにぎわっている。飲食店が集まる河童橋周辺ならバスターミナルから近く、軽装で行き来できる▼8月は混雑のため、松本駅方面に向かうバスに3時間待ちの行列ができた日があったと聞いた。レアチーズケーキが人気のカフェは、梓川が濁るような雨の日も、片手に傘を持った軽装の観光客と、防水対策が万全の登山者が交互に順番待ちしていた▼上高地には歴史的なインフラが多くある。梓川の砂防のために整備されたアーチ式の釜ケ渕堰堤がその一つ。竣工は1942年。2002年9月3日にアーチ式砂防堰堤として全国初の登録有形文化財となった▼上高地に向かうには、マイカー規制のために新しい釜トンネルをバスなどで通る必要がある。その堰堤を車窓から見ることはできなくなったが、80年以上も地域を守り続けてくれている▼バスターミナルに隣接した上高地インフォメーションセンターに、釜ケ渕堰堤の紹介コーナーが設けられた。大勢の人が集う一画から、大切なインフラの存在を知ってもらおうとする心遣いがうれしい。

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