会社が観測隊に社員を派遣していたことが、南極への思いを強くしたきっかけだった。昭和基地の建築・土木の現場監督として、「縁の下の力持ちになり、観測者を支えられるところがカッコいい」と感じた。第67次夏隊の一員として、昨年12月末~今年2月に同基地で活動。自身にとっては、第66次に続く2度目の南極だった。
67次隊では、65次隊から3年がかりで建設してきた「夏期隊員宿舎」の仕上げを指揮した。先遣隊が最上階となる3階部分の工事をほぼ終えていた。屋根の設置や屋上の防水、外壁工事を中心に作業を進め、基本観測棟に設ける非常用発電機の鉄骨台づくりにも携わった。
「厳しい制約の中で優先順位を決め、安全と工程を両立する力が求められた」と振り返る。基地周辺の地盤は非常に硬く、鉄骨台の建設では、どこまで掘削できるかを事前に見通すのが難しかった。それでも出発前から二重、三重に対策を練り、大きなトラブルなく工事を終えた。「ゼネコンの社員として培ってきた日々のスキルが生きた」と胸を張る。「3回目があれば、ぜひ再訪したい」と南極への思いは尽きない。
(おとがわ・りょうじ)神奈川大学工学部建築学科卒、1997年飛島建設入社。広島や九州、首都圏でマンション、工場、駅舎、教育施設などの工事を担当。神奈川県出身、53歳。









