回転窓/役割を忘れた大人たち

2026年11月4日 論説・コラム [1面]

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 「任せて任せず」。松下幸之助の言葉である。仕事を人に任せる。ただし、放任ではなく、責任を持って見守る。組織を動かすには、それぞれが役割と責任を自覚することが欠かせない▼仕事には与えられた役割があり、立場が変われば背負うべき責任も変わる。ところが、その基本を忘れてしまう人がいる。声高に主張する一方で、責任は遠ざけようとする。注意されれば反発し、自分の感情を優先する。周囲も、いいかげんにしろと言いたくなる▼意見を言い、周囲に物おじしない自分を「格好いい」と思っているのかもしれない。だが、周囲から見れば、子供じみた振る舞いに映ることもある。粋がっているつもりが、知らぬ間に未熟さをさらしている▼本当に格好いい人は、態度が大きい人でも、声を荒らげる人でもない。自分の立場を理解し、責任を引き受ける人だ。立場をわきまえることは、自分を小さくすることではない。周囲から信頼され、より大きな仕事を任されるための条件である▼自由を求めるなら、まず役割をしっかりと理解し、責任を果たす。責任を引き受けない自由を、果たして自由と呼べるのだろうか。

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