熊谷組/クレーンつり荷直下の危険エリア侵入を常時監視、AIとGNSS活用

2024年2月21日 技術・商品 [3面]

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 熊谷組はクレーン作業の事故防止に向け、つり荷直下の危険領域を可視化し侵入者を監視する安全システムを開発した。AIとGNSS(全球測位衛星システム)を組み合わせ、危険エリアに立ち入った作業員を瞬時に認識し、警報装置で注意喚起を行う。つり荷の真下はLED投光器で照射を続け人の侵入を防ぐ。
 安全システムでは移動中のつり荷と人の位置がアプリケーション内の鳥瞰(ちょうかん)図上にマッピングされる。ウェブカメラの設置高さや角度の画像をシステムが学習。カメラの設置位置座標をGNSSが取得し、画角内の人の位置を計算して表示する。つり荷担位置はクレーンのブーム先端に取り付けたGNSSデバイスがリアルタイムに座標を取得し鳥瞰図に表示する仕組みだ。
 つり荷位置から危険領域(任意設定が可能)に人が侵入すると、AIが検知し、警報装置で周囲に注意喚起を促す。アプリケーション画面にも「近接検知」が表示され、離れた場所からスマートフォンなどでも確認できる。つり荷の直下を可視化するため電動雲台上にLED投光器を設置。常に直下を自動追尾し床面を照射し続けるため、視覚的にも人の侵入を防げる。
 実現場でシステムの検証を行った結果、AIが危険と判定した事例で真に危険だった割合(再現率)が97・6%と高い値が得られた。今後は監視カメラの高性能化や人検知の高精度化、電動雲台・制御盤の小型化などを行い、幅広い現場への採用を目指す。AIは車両や重機も認証できるため、人との接近、接触を監視するシステムなどへの応用も検討していく。