清水建設と早稲田大学、三菱電機の3者は、平常時と非常時の垣根をなくした「フェーズフリー」ロボットの研究開発を始める。平常時は製造や建設といった場面で活用。非常時には被災者検知や救援物資の配布などの作業に転用する。2027年度末までに開発。研究成果を部分的でも実用化し、検証を繰り返す。同年度末までに社会実装を目指す。
自然災害発生時の被災者支援などに活用できるロボットの実現には、非常時だけでなく平常時から活用できる「フェーズフリーロボット」を社会実装しておくことが有効となる。だが平常時にも使える災害対応ロボットなど、フェーズフリーな防災技術の導入は十分に進んでいないのが実情だ。
3者は平常時と非常時の両方で活躍するフェーズフリーロボットの研究開発を進める。早大がハードウエアとAIに関する要素技術の研究開発を担当。清水建設と三菱電機は事業活動を通じてフェーズフリーロボット活用ソリューションの社会実装を担う。
活用場面として平常時は製造、物流、建設、オフィス、介護施設など。非常時は被災者検知、救援物資配布、巡回、清掃などの作業を想定している。
早大の理工学術院教授で次世代ロボット研究機構長を務める菅野重樹氏は「これまでも内閣府ムーンショット型研究開発事業などで、スマートロボットのマニピュレーション技術やAI実装などの研究開発に取り組んできた」と説明。今回はこれまでの研究開発成果を高度化するとともに「成果をフェーズフリーロボットに実装し、被災地支援で活用するロボットの実現に貢献したい」とした。








