九州地方整備局は、地域高規格道路「国道57号宇土道路」(熊本県宇土市城塚町~上網田町、延長約6・7キロ)の主要構造物となる延長2247メートルの「網津長浜トンネル」の工事に2025年度着手する。入札公告の時期や工事内容などは今後の発注見通しで公表する。
宇土道路は熊本天草幹線道路の一部区間で、09年度に事業化された。現道の国道57号は海沿いの区間が特殊通行規制区間で過去に台風による越波で被災している。JR三角線と並行し踏切が点在しているため、右左折車両による交通混雑も課題。これらの解決に向け、内陸側に2車線の新たなルートを整備する。
25年度は事業費として39億円を配分。調査設計や網津地区などの用地買収を進めるとともに、網津長浜トンネルの工事に着手する。同トンネルはトンネル等級Aのため本坑に並行して避難坑延長2279メートルも設ける。
全体事業費は約434億円。3月末現在の用地進捗率は約99%、事業費ベースの進捗率は約57%。同道路の整備により現道が被災した場合の代替機能が確保されるほか、交通混雑の緩和や交通安全性の向上、救急医療活動の支援などの効果が見込まれる。