中部整備局静岡河川/ドローンで点検効率化、5月12日から駿河・富士海岸で飛行試験

2025年5月7日 工事・計画 [7面]

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 中部地方整備局静岡河川事務所は、ドローンを活用した効率的な施設点検を実現するため、12日~6月6日に静岡県内の駿河海岸や富士海岸でドローン飛行試験を実施する。飛行方法は補助者や看板の配置を求めないカテゴリーIIのレベル3・5飛行。効果や課題を検証し、今後の本格導入につなげる。
 両海岸のいずれも、従来は作業員が徒歩で砂浜など海岸状況、堤防など海岸管理施設の変状を確認していた。飛行試験は、天候を踏まえ期間内に2、3日実施する予定。ドローンに搭載したカメラで取得した映像から変状を確認できるか検証する。
 飛行速度は時速18キロ以下、飛行距離は往復約24キロ、飛行時間は約2時間を想定する。使用する機体は、小型の発電機を搭載して内蔵バッテリーを充電しながら飛行できるハイブリッドドローン「GLOW.H」。カメラなどを搭載した状態で2時間ほどの飛行が可能。通信方式は従来の2・4ギガヘルツに加えLTE通信にも対応し、操縦者と機体の距離が離れても通信圏内であれば遠隔操作できる。
 駿河海岸は、大井川と吉田漁港の間を発着場とし、坂口谷川の河口周辺から航空自衛隊静浜基地南側の海岸周辺までを飛行する。富士海岸の発着場は田子の浦港の東側。富士川河口周辺から東海道本線原駅の周辺までを点検する。
 中部整備局は3月、長島ダム管理所でドローンの飛行試験を実施した。本年度は海岸のほか砂防や河川でも飛行試験を行い、活用の本格化を目指す。調査業務はパスコが担当している。