NHKは東京都渋谷区にある放送センターの建て替えで「基本計画」を見直した。建設費が高騰する中、当初計画の1100億円を維持するため、2棟構成を1棟に集約し延べ床面積を約3割減らす。2025年度に基本設計の委託先を選定する。施設全体の竣工時期は7年後ろ倒しした。
「放送センター建替改定基本計画」を4月22日に公表した。放送センターの所在地は神南2の2の1(敷地面積8万2646平方メートル)。敷地内にある本館のほか、東・西・北館を建て替える計画で、当初は1期で「情報棟」、2期で「公開棟」「制作事務棟」を建設する予定だった。
今回の計画改定で2期工事を変更。当初は本館と北館の跡地の一部に公開棟、東館の跡地に制作事務棟の総延べ約19・5万平方メートルの規模を計画していたが、両棟の機能を東館の跡地に建てる延べ約13万平方メートルの「第II期棟」に集約する。
工事は既存建物の解体と新たな建物の建設を一体で発注する。工期短縮とコスト抑制を図るため、「基本設計」と「実施設計+建築工事」に区分する。
25年度内に基本設計を任せる事業者を選定し、27年度までに業務を完了する。28年度に実施設計・施工業者を決定。30年度に東館の解体を始め、34年度に第II期棟の建設を始め、37年度に竣工する。
38年度に残った本館と西・北館の解体に入る。43年度に全工事を完了する。当初計画では36年に全体工事が終わる予定だった。
敷地の北東側にある「情報棟」の建設は1期工事として竹中工務店・久米設計JVが設計・施工を担当し、24年10月に竣工した。S一部SRC造地下1階地上11階建て塔屋1階延べ7万7670平方メートルの規模。建設費に657億円を投じた。