兵庫県小野市/浄谷黒川丘陵地土地利用基本構想、4エリアを段階的整備

2025年5月9日 工事・計画 [8面]

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 兵庫県小野市は、市のほぼ中央に位置する「浄谷黒川丘陵地」(浄谷町、黒川町、長尾町、約95ヘクタール)の土地利用基本構想をまとめた。社会情勢の変化を踏まえ、2014年度に策定した土地利用計画を一部見直す。行政主体の開発から、官民連携による自然景観と調和した持続可能な土地利用に転換する。先端研究施設の誘致などコンセプト別に四つのエリアにゾーニングし、長期的な視点で段階的な施設整備を目指す。
 同丘陵地は旧KDDI小野受信所跡地で、08年に市がKDDIから取得。市を南北に貫く国道175号に隣接し、市街地からのアクセス性に優れる。アカマツなどの樹木や竹林、ため池など豊富な景観資源が残るほか、勾配が緩く災害リスクも少ないなど土地活用のメリットが多い。
 丘陵地内の一部では、当初の土地利用計画に基づき、16~19年度に陸上競技施設「小野希望の丘陸上競技場(アレオ)」を整備。災害時の避難場所や救援活動拠点の役割も担っている。
 新たな基本構想では、丘陵地を東側から▽サステナブルゾーン▽ウェルネス・アクティブゾーン▽次世代拠点ゾーン▽ヒュッゲゾーン-に区分する。
 サステナブルゾーンには、小野加東加西環境施設事務組合の次期ごみ処理施設の整備を予定している。良好な自然環境を保全し、施設の余熱利用による循環型社会への貢献を図る。ウェルネス・アクティブゾーンには既存施設「アレオ」を核に、スポーツを通じた地域住民の交流を促す。
 次世代拠点ゾーンでは、最先端産業や研究施設、工場などを誘致し、未来を創造するエリアとする。ヒュッゲゾーンは既存ため池を活用し、水辺と緑を体感できるアウトドアエリアに設定。飲食物販施設や宿泊機能、ドッグランなどの整備を描く。
 向こう10年間でサステナブルとウェルネス・アクティブ、次世代拠点I期の各ゾーンを段階的に整備。20年間で同II期とヒュッゲゾーンを整備していく予定。