東急ら/渋谷駅街区開発計画第II期の建設着手、総延べ9・5万平米・31年度竣工へ

2025年5月12日 工事・計画 [4面]

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 東急とJR東日本、東京メトロの3社は9日、東京都渋谷区で「渋谷駅街区開発計画第II期(中央棟・西棟)」の建設工事に着手すると発表した。2019年に竣工した渋谷スクランブルスクエアI期(東棟)の続きとなるプロジェクト。東棟と一体的に、中央棟と西棟の2棟を総延べ9・5万平方メートルの規模で建設する。設計を日建設計・東急設計コンサルタント・JR東日本建築設計・メトロ開発JV、施工は東急建設が担う。31年度の竣工を目指す。
 現在は南北に通るJR山手線の東側に東棟が立っている。今後は駅の直上部に中央棟、バスターミナルなどがある駅西側に西棟を建設する。中央棟は地下2階地上10階建て、西棟は地下4階地上13階建ての規模。
 新たな2棟は主に商業施設で構成。1フロアの面積は最大6000平方メートルあり、都心部最大級の商業施設になる。10階には各国大使館などと連携し、多国籍的な文化に触れられる常設パビリオンを整備する。パビリオンのデザインにはSANAA(妹島和世氏、西沢立衛氏)を起用した。
 2棟の整備と並行して都市基盤整備も進める。東京メトロ銀座線渋谷駅の直上に、東西を行き来できる歩行者通路を整備。西棟のさらに西側には面積約3000平方メートルの歩行者デッキを設ける。デッキのデザインは内藤廣建築設計事務所に任せている。こうした歩行者空間の整備は30年度の完了を見込む。
 2棟の完成後はハチ公広場と中央棟を階段やエスカレーターで結ぶ「アーバン・コア」も整備する。同広場の再整備やJRホーム直上への広場整備を通じ、滞留空間を拡充。全体完成は34年度を予定する。
 2棟の竣工は27年度を目指していたが、インバウンドの増加や来街者ニーズの変化などを踏まえて再検討した結果、31年度に延ばした。東急らは「世界中から常に注目を集める渋谷の核となることを目指し、関係者と連携して事業を推進し、まちの成長に貢献していく」としている。