岩手県花巻市はJR花巻駅前に計画している「新花巻図書館」の建設に向けた基本設計に着手する。19日の市議会定例会で「新花巻図書館整備基本計画」の承認を得た。今後は基本設計業務の内容や発注方式などを庁内で検討。6月議会で予算を計上し、同月以降に公告する見通しだ。
新図書館の規模は収蔵資料数最大70万冊程度を想定している。概算事業費は2階建て延べ4500平方メートル規模で整備した場合、約39・9億円と試算。宮沢賢治など市ゆかりの先人や作家なども含め、図書企画展示やイベントも開催する。2030年度の開館を目指す。整備には、国の補助制度「都市構造再編集中支援事業」の補助金15億円を適用する予定。市の負担分には7割の交付税措置が受けられる合併特例債を活用し、実質負担は8億4000万円になる。
現花巻図書館は、花巻駅から南西2キロの若葉町3の16の24(敷地面積3000平方メートル)に位置する。建物はRC造3階建て延べ1304平方メートルの規模。建築から50年以上が経過し、施設の老朽化が大きな課題になっている。
新花巻図書館の建設地を巡り、21年度には関係者や市民団体代表らの基本計画検討会議を設置し、施設の機能や立地で議論を重ねてきた。最終的には総合花巻病院跡地と花巻駅前のJR所有地の2案を比較検討。市民説明会を経て、3月に花巻駅前を建設候補地に選んだと発表した。
「新花巻図書館建設候補地比較調査業務委託」は大日本ダイヤコンサルタントが担当した。