東京・千代田区はペロブスカイト太陽電池の普及拡大に向け、実証実験を次の段階に進める。2024年度はトレーラーハウスに設置して性能を評価した。25年度は区内の建築物に導入。実用性を確認し、普及促進策の参考にする。太陽光発電の適地が少ない都市部で、ビルの窓や壁面を使った大規模発電を実現する将来像を描く。2050年のカーボンニュートラル(CN)達成に向けた重要な施策の一つに位置付ける。
「次世代型ソーラーパネル(ペロブスカイト太陽電池)実証実験業務」の委託先を決める公募型プロポーザルを20日公告した。
業務では同電池を区有施設を除いた区内の建築物に設置。実際に発電し、電気を消費する。発電量は常時監視して区に報告する。区民や来街者に対し、同電池の意義を啓発するキャンペーンも実行する。
プロポには競争入札参加資格の有無に関わらず参加できる。資格がない事業者は会社概要や登記事項証明書、財務諸表の提出が必要。参加申込書を6月24日までメール(kankyouseisaku@city.chiyoda.lg.jp)で受け付ける。提案書の提出期限は7月18日。同31日に結果を通知する。提案限度価格は1000万円(税込み)。
区は24年7~10月、同電池を組み込んだトレーラーハウスをJR秋葉原駅前に設置し、性能を評価した。発電量は全期間平均で1日当たり5・5キロワット時だった。出力は目標値の1・2キロワットを達成。最高で1・6キロワットに達した。区は発電や施工性、メンテナンス、景観配慮といった面で優位性があると評価。「実用化の見通しが立てば、区有施設での活用を検討する」とした。24年度の業務はYKKAPが手掛けた。