八千代エンジ/設計・照査支援アプリ開発/AI活用し図版管理自動化

2025年6月17日 技術・商品 [3面]

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 八千代エンジニヤリングは、AIを活用して設計や照査をサポートするアプリを開発した。コアコンセプト・テクノロジー(東京都豊島区、金子武史社長)の協力を得てシステム開発したアプリ「TERNO(テルノ)」は、図版管理作業を自動化し、AIによる差分抽出機能を活用して修正箇所を特定する。図面品質の向上や業務の効率化につなげる。16日に無料体験版の提供を始めた。
 TERNOの「版管理ダッシュボード機能」は、コンテンツ管理に用いる「Box」に格納した図面などのファイルを体系的に管理できる。更新回数や照査の着手状況、指摘箇所、レビュー状況などを表示するため、設計時にダッシュボードを確認すれば、設計技術者がすべきことを迅速に確認できる。
 「AI差分抽出機能」は、ダッシュボード内に修正や照査の指摘箇所を記録して図面の差分を抽出。修正前後の図面を対比し設計業務の修正漏れやミスを防ぐ。構造物を指定して修正履歴をエクセル形式で一括出力できるため、照査のたびに作成していた照査一覧表にも対応できる。差分抽出のため開発したAIによる図面解析技術は、橋梁など複雑な配筋図にも対応可能だ。
 AIが2D図面の線の数や太さ、向きを数値化する「AI図面サーチ機能」は、ファイルを検索してデータを個別に確認する手間と時間を減らす。過去事例や類似画面へのアクセスが簡単になり、設計品質の向上につながる。
 TERNOを活用して20枚の図面作業を行い、従来手法での作業時とかかる時間を比べたところ、図面管理や修正対応、照査などの簡素化により約30%の時間を削減できることが分かった。