九州大学箱崎キャンパス跡地(福岡市東区、区域面積約28・5ヘクタール)の開発事業を巡り、土地利用の優先交渉権者である住友商事を代表とするグループが基本計画の検討状況を公表した。昨年4月の企画提案の内容から、一部施設の配置場所や仕様を見直した。居住ゾーンでは歩行者の安全性・回遊性の向上とともに、圧迫感軽減につながるよう、建物の高さや形状、配置とする考えを示した。
検討状況は6月3日に開かれた基本計画書に関する審議委員会の会合で報告された。次回会合は秋ごろに開催。協議内容を踏まえ、2025年度中に開発事業者の公募を行った九州大学と都市再生機構九州支社が住商グループを土地利用事業者として正式決定する。
跡地南側の東端エリアには市が箱崎中学校の移転新築を計画している。企画提案の時点では中学校の移転予定地の付近に、物流施設(3階建て延べ約8200平方メートル)の整備を想定していたが、通学路の安全性を重視。物流機能の代わりに業務・研究機能と交流・にぎわい機能を果たす施設を物流予定地に設けることにした。物流施設で予定していた備蓄倉庫などの防災機能は維持する考え。
キャンパス跡地での物流機能の確保については、今後在り方を検討していくと説明した。
敷地南側のナレッジゾーン内には外国語専門学校や、インターナショナルスクールのほか、幼児・児童向け教室、中高生向け学習塾、高齢者向け住宅で構成する複合型教育施設を設ける。複合型教育施設は中学校の教育機能との親和性に配慮し、中学校と隣接する用地に配置する。複合型教育施設は28年度、専門学校とインターナショナルスクールは29年度以降の供用開始を目指すとした。
代表者以外のグループ構成員は、▽JR九州▽西部ガス▽清水建設▽大和ハウス工業▽東急不動産▽西日本新聞社▽西日本鉄道。