関東整備局/荒川第2調節池整備26年に一部完成、洪水調節容量は1200万t

2025年6月27日 工事・計画 [4面]

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 関東地方整備局が荒川の治水安全度を高めるため、2018年度に着工した「荒川第2調節池」の一部が26年の出水期に完成する。荒川本川と調節池を仕切る囲ぎょう堤の一部と洪水時に水を取り入れる排水門の整備が進行中で、部分供用によって洪水調節容量を約1200万トン確保する。既に完成している第1調節池と合わせて同容量は約5100万トンに上る。
 下流域の東京都心を含む流域の治水安全度を高めるため、関東整備局はさいたま市や埼玉県川越、上尾の2市に荒川第1~第3調節池を整備している。第1~3調節池が完成すると洪水調節容量は約9000万トンを見込み、豪雨時も荒川の水位を下げる効果がある。
 第1調節池(洪水調節容量約3900万トン)は03年度に完成し、19年の東日本台風では既往最大で約3500万トンの水を貯水した。現在は第2調節池(約3800万トン)の囲ぎょう堤や排水門整備などが進む。囲ぎょう堤と排水門の施工は飛島建設、排水門のゲート設備をIHIインフラシステムが担う。来年の出水期には約3分の1に当たる1200万トン分の水がためられるようになる。
 建設工事を進めている荒川調節池工事事務所によると、第2、3調節池の完成は30年度を予定する。工事は順調に進んでいるという。現場は全国に14カ所ある「i-Constructionモデル現場」の一つ。3DデータでICT建機を動かしたり、UAV(無人航空機)で堤体盛り土の出来形を管理したりして業務効率アップにつなげている。