関東地方整備局は4日、総合評価方式の新タイプ「技術提案評価型SI(エスイチ)型」を初適用する「R7国道4号東埼玉道路(専用部)柿木第1号橋下部その1工事」の一般競争入札(WTO対象)を公告する。参加申請と資料を8月4日まで電子入札システムで受け付ける。入札書の提出期限は10月17日。同22日に開札する。
SI型は入札参加者の提案が品質や技術力向上につながると発注者が判断した場合、入札価格と別枠で提案費用を支払う。国の直轄工事で技術的な工夫余地がある工事は、これまでS型を運用していた。新技術や新工法のコストも入札価格に含めるS型は、品質向上の発展的な提案がしにくい状況を生んでいた。
SI型は新工法・技術を「技術向上提案」として求め、契約後に柔軟に設計変更できる点が大きな特徴だ。設計変更の上限額は予定価格に対する5%の範囲内に設定。参加者は入札時に概算額(税抜き)を提出する。総合評価の技術点は通常の技術提案テーマと技術向上提案を合算し点数化。技術向上提案の費用は予定価格に含めない。
SI型の発注は関東整備局が全国初になる。東埼玉道路は埼玉県八潮市の東京外かく環状道路(外環道)と春日部市を結ぶ。延長約17・6キロの高規格道路で高架形式の自動車専用部と平面を走る一般道で構成する。
柿木第1号橋下部その1工事は、計画地は草加市柿木町亀地先、工事内容はRC橋脚工1基、作業土工一式、既製杭工72本(内径1000ミリ、延長46・5メートル)。橋脚躯体工一式、コンクリート約3350立方メートル、鉄筋286トン、特殊支保工一式など。発注規模は8・1億~15億円。工期は2028年2月29日まで。
参加資格は単体。関東整備局から一般土木工事の一般競争入札参加資格を取得し、経営事項評価点数が1200点以上の事業者。所定の実績も求める。
広幅員箇所の現場では両脇を国道4号が通る。施工ヤードが確保しにくい上、軟弱地盤という厳しい条件下で施工する必要がある。技術向上提案は「橋脚躯体工の品質確保に対する取り組み」を求める。設計変更の上限額は5000万円以内。具体的には材料品質やコンクリートの打設、養生方法などを想定する。