この前の日曜日に近所の公民館で「子ども縁日」が開かれた。複数の町内会が協力し毎年開催している▼かき氷を安価で販売していた部屋と同じくらいにぎわっていた一画をのぞいてみると、輪ゴムで飛ばす紙飛行機やけん玉、だるま落としなどの昔ながらのおもちゃで多くの人が遊んでいた。「昔遊び」がテーマのコーナーだったようで、子どもたちと同じくらい夢中になっている大人たちの姿がほほ笑ましかった▼経済産業省は先月末に「玩具の価値を考える会」の中間取りまとめを公表した。官民共同の検討組織が幼児の遊びや市場の変化といった玩具産業の現状を考察し、好みが多様化する消費者への対応や、世界展開の方策を示している▼報告では玩具が子どもの心身の発達に大きな影響を与え、大人にとっても「より豊かな人生を送るための文化的価値を提供している」と明記している。日本の価値を支える産業として官民が協力して振興に取り組む必要性も指摘された▼昔遊びは8月に行われる小学校の夏祭りでも実施される予定という。玩具を通じて交流が広がり真夏の楽しい思い出が少しでも多くなってほしい。