国交省/24年度元下調査結果公表/1・4万業者に指導票送付

2025年7月15日 行政・団体 [1面]

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 国土交通省は2024年度「下請取引等実態調査(元下調査)」の結果を公表した。建設業法に基づく指導対象となる調査項目すべてに適正回答した事業者の割合は3・1%。調査項目別の適正回答率は、請負契約書の相互交付状況などを見る「契約締結方法」が59・2%、「手形の現金化などに関するコスト負担の協議」が52・3%、契約書に定めるべき15項目の状況を見る「契約条項」が30・2%、見積もり条件として提示すべき14項目の状況を見る「見積もり提示内容」が13・1%で特に低い水準だった。
 調査対象を23年度の1・2万者から24年度は3万者に大幅に増やした。有効回答として集計対象となったのは2万0219者で、下請の立場で回答する事業者を中心に23年度の2倍以上となった。24年6月末まで1年間の取引状況を回答してもらった。
 適正回答率は23年度の7・5%から下落した。23年度と比べて知事許可業者のウエートが大きくなり小規模事業者の回答割合が増えたことが背景にある。調査項目のうち「下請代金の決定方法」は95・1%、「下請代金の支払い期間」は97・9%、「支払い手段」は95・7%と適正回答率が高かった。元請として下請契約を締結した事業者のうち、不適正回答が1項目でもあった1万4214者には指導票を送付した。
 時間外労働の上限規制適用後の状況として現場閉所の実態を聞いたところ、下請の立場で元請から請け負った工事が「4週8休」と回答したのは43・0%、「4週6休」との回答は29・9%だった。月当たりの平均残業時間は「10時間未満」は64・6%、「10時間以上20時間未満」が19・2%、「20時間以上30時間未満」が8・9%だった。