名鉄都市開発は22日、REIT(不動産投資信託)に参入すると発表した。不動産サービスを手掛けるザイマックスグループのリート運用会社の株式51%を取得する。取得日は10月1日。円滑な資金調達の体制を整え、ビッグプロジェクトである名古屋駅地区再開発計画の推進と並行し、他のまちづくり・不動産開発事業にも積極的に投資する。
名鉄都市開発が開発した物件を、今回参入するJ-REITや1月に運用を開始した私募ファンドに売却することで投資資金の早期回収が可能になり、財務上の負荷をかけることなく次のまちづくりに投資することができる。
私募ファンドは運用期間が限られ、投資家も国内の機関投資家となることが一般的だ。J-REITは運用期間の期限がなく、投資家も国内外、法人個人など対象が広くなる。証券化の手段を複数持ち、物件特性や外部環境の状況などに応じて活用することで安定的な不動産事業の成長を期待できる。
取得するザイマックス・リート投資法人の資産規模は約550億円。近い将来に1000億円、長期的には2000億円へと拡大を目指す。将来的に商号を「セントラル・リート投資法人」など中部圏を意識した名称に変更することも検討する。
名鉄都市開発の日比野博社長は「名鉄グループとして名駅再開発に莫大(ばくだい)な投資が必要となる中でも、その他の不動産事業への積極的な投資が可能になる」とREIT参入の意義を強調。「地域価値向上のため、開かれたまちづくりを全力で推進する」と力を込めた。