建設キャリアアップシステム(CCUS)運営主体の建設業振興基金(振興基金、谷脇暁理事長)は、CCUS登録技能者向けスマートフォンアプリ「建キャリ」を用いて就業履歴を蓄積できる仕組みを普及させる。CCUSカードを携行していなくても建キャリで表示するQRコードの読み取りで履歴蓄積が可能となるよう、API連携する民間システム側の機能を拡張してもらう。初弾としてエムシーディースリー(東京都渋谷区、飯田正生社長)が提供する「グリーンサイト」の入退場登録アプリで8月上旬から利用できるようになる。
API連携する民間システムでは、各システムが提供する入退場管理デバイスで記録したデータをCCUSに反映する機能があり、就業履歴として蓄積されている。CCUSカードの読み取りや顔認証、スマホアプリでの操作など入退場データの記録方法にはさまざまなバリエーションがある。建キャリはCCUS登録技能者に共通のスマホアプリであり、これに対応した民間システムが増えれば、技能者側の利便性が高まることになる。
まずはグリーンサイトの入退場登録アプリ「建設キャリアアップカードリーダーforグリーンサイト」で、建キャリのQRコード表示機能に対応する。同アプリをインストールしたiPhoneで、技能者が建キャリで表示したQRコードを読み取ることで就業履歴を蓄積する。同アプリは6月末時点で126社の元請会社で利用されているという。
振興基金は、建キャリのQRコード表示機能の活用可能性をさらに広げたい考え。API連携する民間システムに加え、「CCUS応援団」の民間事業者との連携も模索する。建キャリの利用者は現時点で2・2万人程度で、利便性向上をさらなる利用拡大につなげる。