ゼネコンの賃上げの動きが続いている。日本建設産業職員労働組合協議会(日建協、木浪周作議長)が24日に公表した2025年賃金交渉の中間結果によると、回答した31組合すべてが基本給を引き上げるベースアップ(ベア)を獲得し、13組合は要求を上回る水準の回答が会社からあった。ベアの加重平均で1万8044円。加盟組合が一体となって賃金水準の改善に取り組む中、政府主導の賃上げ機運の醸成や物価上昇が追い風になったと見ている。
24日時点の集計結果をまとめた。月例賃金は31組合すべてが定期昇給を含め前年実績以上の水準を確保した。11組合は要求を下回る水準ながらもベアを獲得した。
ベアの単純平均は1万7225円。定期昇給を含めた昇給額は、単純平均で2万5778円、加重平均は2万7894円だった。日建協は「政府主導による賃上げ機運や物価上昇が追い風になった」と見ている。
一時金は妥結報告があった30組合のうち、20組合が前年実績を上回り6組合が同額となった。単純平均で5・17カ月、加重平均で5・18カ月だった。4組合は前年実績を下回る水準で妥結した。日建協は「ベアや定期昇給を一時金で調整した組合がある」と分析した。
大学卒の初任給は要求した4組合を含む25組合で引き上げられた。21組合は会社提示の引き上げ。過去最高の水準になっており、日建協個別賃金水準の先行ラインとしている29万円台を上回り、30万円台が8組合、31万円台が1組合あった。日建協によると「各社の人材獲得の動きが如実に表れた」という。賃金の水準に関しては価格転嫁が業績に反映され、処遇の改善も進んでいると受け止めている。