大林組/MR施工管理システム刷新し協力会社も利用可能に、仕上げ検査25%省力化

2025年7月30日 技術・商品 [3面]

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 大林組は、MR(複合現実)技術を利用して施工確認や検査を行う品質管理システム「holonica(ホロニカ)」をアップデートした。協力会社向けの閲覧・利用機能を新たに実装。情報を円滑に共有し、仕上げ検査時の指摘事項の入力から是正完了確認までをデジタル空間上で完了できる。従来の検査手法と比べ、約25%の省力化に成功した。
 社内利用に限定していたシステムをアップデートし、協力会社向けの閲覧・利用機能を追加した。スマートフォン版のウェブアプリを通じて、仕上げ検査時の指摘事項の入力から是正完了確認までシステム内で完結。情報伝達時の事務処理やミスを減らす。
 従来の仕上げ検査後の協力会社への是正の指示や確認は紙で行っていた。情報の伝達に時間がかかり、ミスにつながる課題もあった。アップデート後は、伝達や是正完了時の報告にかかる時間を約90%減らせることを確認した。
 施工管理の業務効率も高める。コンクリート打設前の現場に打設後のBIMデータを重ね合わせ、スリーブや開口の位置と個数を確認できる。発注者や設計・監理者と完成イメージを共有し、鉄骨製品の検査なども円滑にする。
 大林組は2021年にholonicaを開発した。実際の施工現場にBIMデータを重ね合わせてタブレット端末に表示し、設計情報の確認や検査記録の作成時間の短縮につなげる。仕上げ検査や完成イメージの共有に利用し、24年度までに50件超の現場で試行した。将来的には自社が施工する現場以外への適用も視野に入れる。