東京都/境川木曽東調節池(町田市)、25年秋に取水開始

2025年8月18日 工事・計画 [4面]

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 東京都は町田市にある境川木曽東調節池の取水を今秋に始める。貯留量は約4万9000立方メートル。地下箱式で、東京都と神奈川県を流れる2級河川・境川の洪水をためる。調節池の整備に当たっては「本体が完成すれば可能な限り取水する」(都建設局担当者)方針で、水害リスクを早期に低減し都民の暮らしを守る。
 木曽東調節池は町田市境川クリーンセンター跡地(町田市木曽東2)に造っている。規模は長さ約115メートル、幅約60メートル、深さ約22メートル。建設工事は大林組が担当している。総事業費は128億円で、事業期間は2026年度まで。
 境川では東京都が管理する約10・5キロの区間に木曽東調節池を含めて三つの地下箱式調節池を整備する計画だ。
 町田市のスポーツ広場(町田市金森6)の地下には境川金森調節池を構築。長さ約190メートル、幅約90メートル、深さ約20メートルで、貯留量は約15万1000立方メートルとなる。
 貯留部は上部と下部に分かれ、調節池に流れ込んだ水はまず上部に流入。容量を超える場合に下部の貯留部に流れ込む。洪水の状況に応じて使う部分を区切ることで、調節池から水をくみ上げた後の清掃の負担を軽減する。
 工事は安藤ハザマ・東鉄工業・松尾建設JVが担当している。総事業費は300億円で、事業期間は28年度までを予定している。
 木曽西調節池(町田市木曽西2)は都有地の地下で約5万立方メートルの水をためる。本体の規模は長さ約60メートル×幅約35メートル×深さ約50メートルで、本体工事には25年度に着手する。施工業者は今後入札公告を行った上で決める。総事業費は345億円で、事業期間は35年度までの計画だ。
 境川は08年8月末豪雨で洪水が発生。町田市の床上浸水は14棟、床下浸水32棟で、浸水面積は4・59ヘクタール、被害額は約5・2億円に上った。このため、河川沿いに複数の調節池を整備。1時間当たり50ミリまでの降雨は河道で対応し、50ミリを超える雨は調節池と流域対策を組み合わせることで1時間当たりおおむね65ミリに対応する。