愛知県豊橋市は、「豊橋市科学教育の拠点施設(仮称)整備基本計画案」をまとめた。豊橋総合動植物園(のんほいパーク)内に、生物学や天文学など自然科学分野を網羅した教育を展開する複合型科学教育施設を建設する。施設は延べ約3000平方メートルを想定。概算事業費は約38億円を見込んでいる。今後のスケジュールは2026~27年度に基本・実施設計、28~29年度に建設、30年度の開館を目指す。
市内で自然科学を学べる施設は、豊橋総合動植物園(大岩町大穴1)内の自然史博物館のほか、プラネタリウムを備えた視聴覚教育センター(大岩町火打坂19)、地下資源や鉱物、エネルギーなどを展示する地下資源館(同)がある。
科学教育の拠点施設は、老朽化が進む視聴覚教育センターと地下資源館の機能を集約し、自然史博物館の隣接地に建設する。天文学や物理・化学、生物・地学など自然科学系の学習や実験、展示が可能な施設で、ドームシアターには直径20メートル、200~250席を備えたプラネタリウムを設置。光学とデジタルのハイブリッド式プラネタリウムシステムと、大型ドーム映像上映に特化したシステムを併用した機器の導入を検討している。
事業手法はPFI手法の導入可能性を検討したが、民間の創意工夫の余地も少なく、財政負担の軽減に効果が見られなかったため従来方式で整備するとした。科学教育の拠点施設の整備に合わせ、自然史博物館の保全改修や展示更新なども行う。
市は9月に科学教育の拠点施設整備基本計画案の市民意見を募集。意見を踏まえ基本計画をまとめる。基本計画資料等作成業務はパブリック・マネジメント・コンサルティングが担当。