8月に入り勤務形態が少し変わり、外出が多くなった。これまで内勤だったこともあり、1日の歩数が大幅に増え、就寝前に歩数計を見て思わずニンマリする。歩けば歩くほど健康になると暗示をかけ、1日1万歩を目標にしている▼1日7000歩を歩く人は深刻な健康問題のリスクが劇的に低下する--。そんな研究結果を国際研究チームが7月下旬、公衆衛生に関するオンライン科学誌に発表した▼57件の先行研究を精査し、16万人のデータを分析した結果、1日7000歩と2000歩では早期死亡のリスクがほぼ半減。認知症のリスクは38%、うつ病は22%、糖尿病も14%それぞれ低下したという▼英ケンブリッジ大学の医学研究者で論文の共著者、パディ・デンプシー氏は「健康上の主なメリットを得るには、1日1万歩を歩く必要はない」と指摘する。最も大きな効果は7000歩に達する前に表れ、その後は横ばいになる傾向があるそうだ▼健康に良いからといってやり過ぎれば、かえって体調を崩しかねない。無理をせず長いスパンで目標達成を目指したい。大切なのは続けることだが、それがいちばん難しい。