三菱電機が同社のデジタル基盤と清水建設の建物OSを連携させ、オフィスビルで空調制御を最適化する実証実験を26日に始めた。建物OSで取得した三菱電機製以外の空調機器の稼働データや温湿度といった環境データ、人の位置データなどをデジタル基盤に集約。オフィスの運用実態に合わせリアルタイム分析し、結果を空調制御に適用できるか実証する。オフィスビルの省エネと快適性を両立した最適な空調制御の実現を目指す。
実証実験は横浜市西区の横浜アイマークプレイス10階にある三菱電機の共創空間「Serendie Street Yokohama(セレンディストリート横浜)」で実施。期間は2026年2月25日まで。
清水建設が開発した建物OS「DX-Core」は、設備間の情報や制御信号を一元化し、APIを通じて自由に制御できる。空調や照明などを管理できるテナント向けのポータルサイトを提供し、管理を効率化。混雑状況を解析してエレベーターを効率的に運行したり、搬入業者の受け入れに顔認証を導入したりしてビル運営全体の利便性を高める。
三菱電機のデジタル基盤「Serendie(セレンディ)」とDX-Coreを連携。建物内の設備機器を制御し、さまざまなアプリケーションと接続可能なDX-Coreを通じ、三菱電機製以外の空調機器も同社のノウハウを生かして制御する。
DX-Coreを介してビル設備の稼働データをSerendieに集約。従業員の在席位置や、会議室などのレイアウト情報、外気温や日射量といった環境データもSerendieに取り込み、設備機器の稼働データと組み合わせてリアルタイムに分析。空気環境をエリアや時間帯ごとに予測する。
空気環境の予測結果に応じた空調制御を事前に行うことで、オフィスフロアの省エネと快適性を両立した最適な空調制御の実現可能性を検証する。実証実験を通じて、オフィスビルの多様なニーズと実態に応じた高度な空調制御ソリューションの実用化を進める。