東京都水道局/2浄水場を報道陣に公開/境は30年代早期に再整備完了

2025年9月11日 行事 [4面]

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 東京都水道局は、再整備を実施している「境浄水場」(武蔵野市)と、施設更新に着手する「東村山浄水場」(東村山市)を報道陣に9日公開した。境浄水場は老朽化している浄水施設の更新に関連し、代替施設として能力を増強している。境浄水場の再整備は2030年代早期の完了を予定。既存施設の工事が最盛期に入りつつある。
 境浄水場は、都内で唯一の「緩速ろ過方式」を採用している。再整備で浄水場の半分をより能力の高い「急速ろ過方式」に変更し、飛躍的に給水量を高める。排水ポンプ場と高度浄水施設を築造するための掘削工事は既に完了。近く躯体築造に入る。土留め・土工事は福田組・ナカノフドーJVが担当。躯体工事は大林組・村本建設・トーヨー冨士工JVが施工する。再整備で境浄水場の水処理能力は1日当たり24・5万立方メートルとなる。工事担当者は取材に対し「複数の工事が集中する。施工者同士の調整や安全確保に万全を期したい」と話した。
 境浄水場の再整備完了後、1960年代に完成し老朽化している東村山浄水場の設備更新に入る。現在は1日当たり126・5万立方メートルの水を処理し、23区北西部や多摩東・南部に供給している。3系統ある水処理系統を1系統ずつ更新していく。今後、更新計画の立案などを進める。
 設備更新では、都が進める二酸化炭素(CO2)のHTT(減らす・創る・ためる)対策として、大型のリチウムイオン電池と太陽光発電設備を導入する。日中に太陽光で発電した電気を朝晩のピーク時に活用することで、環境に配慮した水処理を実現する計画だ。