関東整備局利根川上流河川/埼玉県加須市で治水の日慰霊・継承式典開く

2025年9月16日 行事 [5面]

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 ◇水害の教訓を次世代に継承
 関東地方整備局利根川上流河川事務所は、第31回「治水の日」慰霊・継承式典を埼玉県加須市の大利根水防センターで12日に開いた。1947年9月に襲来したカスリーン台風の犠牲者を弔うとともに、教訓を後世に語り継いでいくのが目的。式典には関係者約50人が出席した。遺族が献花台に献花した後、参加者全員で黙とうをささげた。
 カスリーン台風で利根川の堤防が決壊し、大水害が発生してから今年で78年を迎える。国土交通省は堤防が決壊した9月16日を「治水の日」と定め、1992年から慰霊・継承式典を開催している。
 席上、橋本雅道関東整備局長は「水害の教訓を風化させることなく、次の世代に引き継ぐことが重要だ」と述べた。その上で「2019年に東日本を襲った豪雨では、試験湛水中だった八ツ場ダムや堤防強化対策が災害発生防止に役立った」とこれまでを振り返った。今後にも目を向け「安全・安心な社会の実現に向けて堤防整備や河川掘削、洪水調節池の整備を推進し、利根川水系の防災・減災に努める」と誓った。
 地元を代表して角田守良加須市長は「過去の教訓から学び、不断の努力を続けていく」と表明。「国交省、関係自治体と連携しながらハードとソフトの両面で流域治水対策を推進する」と力強く語った。
 式典では角田市長、梅田修一埼玉県久喜市長、飯野光則利根川上流河川事務所長が「自らの地域は自らが守るという意識で地域防災に全力で取り組む」とする決意文を読み上げた。