広島県はJR広島駅北側の二葉の里地区(広島市東区)に計画する「高度医療・人材育成拠点」の基本計画の変更案を公表した。当初計画では開院時の病床は1000床としたが、医療の高度化や建築費高騰などの影響を受け、860床程度に縮小する。規模も16階建てから11階建てに変更し、延べ床面積は約9万6000平方メートルから約6万6000平方メートルにする。ただ、建物は1000床程度まで拡張できる構造にする。2030年度の開院予定に変更はない。基本・実施設計は日建設計・村田相互設計JVが担当する。
新病院は県立広島病院や中電病院、広島がん高精度放射線治療センター(HIPRAC)など四つの医療機関を統合し、全国トップレベルの安全な医療を提供するとともに地域医療に関心のある医療者の確保・育成を図る。
変更案によると、医療ニーズに対応できる病床数として開院時は860床程度での運用を想定するが、将来にわたってあらゆる医療の変更に対応できる体制を整える。
内訳は一般病床が813~954床で、重症系病床にはE-ICU(救命救急集中治療室)やSCU(脳卒中ケアユニット)、E-HCU(救命救急高度治療室)、MFICU(母体・胎児集中治療室)などを備える。精神病床は38床、感染症対応の病床も8床設置する。手術室は23室を確保する。
新病院棟の規模は当初計画で地下1階地上16階建て延べ約9万6000平方メートルを想定したが、見直し案では11階建て延べ約6万6000平方メートルに縮小し、既存の県立二葉の里病院(7階建て延べ約2万3000平方メートル)は医療提供用の施設として改修する。敷地内には最大385台を収容する立体駐車場(6階建て延べ約9000平方メートル)を建設する。
概算事業費は当初の1300億~1400億円(建築工事費等850億~950億円)から約1330億~1460億円に見直す。整備手法はECI方式を想定。設計作業が完了後、27年度に工事発注の手続きを進めて建設工事に着手し、30年度の開院を予定している。