3・11伝承ロード推進機構/台湾の教育関係者向け震災教育旅行誘致拡大に手応え

2025年9月17日 行政・団体 [6面]

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 3・11伝承ロード推進機構(代表理事・今村文彦東北大学災害科学国際研究所教授)は、台湾の学校関係者を対象に行った震災教育旅行について参加者アンケートの結果を公表した。「命の大切さを実感できるプログラムが多い」「防災教育にとって良い教材だ」「観光資源が豊富で旅行の適地」など好意的な意見が多くを占め、同機構は「誘致拡大に大きな手応えをつかんだ」と今後の展開に期待を込めた。
 3年目となる今回は、台南市の高級中学(高校)の教育者6人を招き5月20~24日に実施した。宮城県松島町で島々を巡りながら復興への歩みを聞く「松島湾語り部クルーズ」を体験するとともに、南三陸3・11メモリアル(宮城県南三陸町)や東日本大震災津波伝承館(岩手県陸前高田市)、高田松原津波復興祈念公園(同)などを見学。地元の松島高校や一関第一高校の生徒とも交流した。日本三景・松島や世界遺産の中尊寺を訪れるなど日本文化にも触れた。
 同機構は、アンケートの結果を受け「行程エリアや内容が台湾からの教育旅行の目的と合致していることが分かった」と強調。ニーズをスケジュールに的確に反映するため「自治体や観光協会、伝承施設などとの連携を強める」方針だ。関係者に調査内容を共有し受け入れ環境をブラッシュアップする。
 これまで台中市、台北市、台南市の教育関係者を受け入れた。台湾の主要都市を網羅するため次回は、高雄市の高校の教員らを招く予定だ。