東京都は、都立夢の島公園(江東区)内にある青少年体験学習・宿泊施設「区部ユース・プラザ」を「(仮称)子供・若者体験活動施設」として再整備する。事業手法にはPFIの導入を検討する。最も古い施設は完成から約50年が経過し老朽化しているため、同じ夢の島公園内で再整備する考え。有識者の意見を聞いた上で基本計画をまとめる。
18日に「(仮称)子供・若者体験活動施設区部基本計画検討委員会」(委員長・五十嵐誠東洋大学経済学研究科公民連携専攻客員教授)の第3回会合を開き、事業手法などを議論した。再整備に当たっては、幅広い都民向け施設から子どもや学生向けの施設にコンセプトを変更。「子供・若者の自立・発達に向けた社会を共創する施設」を目指す。PFI事業者とは別に「コーディネーター」を置き、体験・交流プログラムの実施やNPO団体との調整などを担ってもらう。都も含めた3者で連携して施設運営する。
施設のうち、特に古いスポーツ・文化学習棟は改築、比較的新しい宿泊棟は改修する方針。具体的な機能として文化系エリア(セミナールーム、多目的室、音楽演劇室など)に約800平方メートル、スポーツエリア(アリーナ、体育室、屋内プール、屋外広場など)に約3600平方メートル、共通エリア(レストラン、保健室など)に約400平方メートルなどの基準を示した。
事業費算出の目安として、既存の宿泊棟や付属施設なども合わせた施設規模は総延べ1万8500平方メートル程度を見込む。都は再整備に当たり、「多様な体験プログラムを企画提供できる他に類を見ない施設の実現」「民間ノウハウを活用した効率的な維持管理、運営とサービス向上」を目標に掲げた。ユース・プラザは特別支援学校の校外学習に利用しているため、早期の供用開始が必要とした。
会合では、委員から「施設のコンセプトをもっと明確にしてほしい。他に類を見ないとはどういった施設と比較して言っているのか」「コーディネーターとPFI事業者が対等なのか疑問だ。結局、お金を持っている事業者の意向が優先されるのではないか」といった意見があった。施設の性格からPFIではなく直営方式を求める声もあった。都は検討を深め、基本計画の策定を目指す方針だ。