山口県下関市/唐戸市場リニューアルで対話/PFIの導入視野

2025年9月22日 工事・計画 [13面]

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 山口県下関市は、大規模改修を計画している「唐戸市場」(唐戸町5の50)について、民間事業者と対話を行い、維持管理や運営を見据えた事業方式を検討する。老朽化が進む市場棟と駐車場棟をリニューアルして新たに飲食スペースの設置も計画。民間のノウハウを生かした事業の可能性を調査し、今後の計画策定の参考にする考えだ。10月10日まで参加申し込みを受け付け、同21日に対話を実施する。
 唐戸市場(敷地1万5382平方メートル)は築23年が経過し、鉄部分や防水の劣化が進んでいるほか、夏の暑さ対策や飲食スペースがないなどの課題があり、2025年度から大規模改修に向けた基本構想を検討している。
 建物は斜張式つり構造とプレキャスト・プレストレスト・コンクリート造を採用し、技術的に難度が高い。市場棟は3階建て延べ1万4473平方メートル、駐車場棟が4階建て延べ9683平方メートル。
 改修後は飲食スペースを設置し、空調設備を導入する予定で、床面積は両棟合わせて2万5000平方メートル程度にする。工事中も営業を続けられるよう近くに仮設店舗の設置を想定している。仮設店舗の場所は検討中。
 大規模改修事業でPFIを採用した事例がなく、民間活用による事業の可能性を検討するため、サウンディング(対話)調査を実施する。事業者にはPPP/PFI事業の参入の可能性や条件、仮設店舗の設置などについて意見を聞く。山口地域PPP/PFI官民連携プラットフォームが協力する。
 市は26年度までに基本計画を策定し、27~28年度に設計を進める。工事期間は29~31年度末で、リニューアルオープンは32年4月を予定する。