沖縄県は26日、サッカーJリーグ1部(J1)の開催基準を満たす「Jリーグ規格スタジアム」の整備計画案を公表した。事業費を抑えるため、収容人数1万人程度で、延べ2万8014平方メートルの規模で開業し、増改築により2万人収容まで拡張可能な設計とする。事業手法はBTO(建設・移管・運営)方式のPFIかDBO(設計・建設・運営)方式を導入。2026年夏ごろに事業者選定の一般競争入札(WTO対象)を公告する。31年度の供用開始を目指す。
整備予定地は奥武山公園(那覇市奥武山町)内の陸上競技場や補助競技場が立地する約6・2ヘクタール。地域のにぎわい創出や、県内外企業によるスポーツ関連産業の展開促進を目的に、整備に当たっての基本的な考え方として「県民と“ともに”育てるスタジアム」を掲げる。
整備事業費やライフ・サイクル・コストの縮減効果が期待され、J1基準の充足も可能であるため、開業時は観客席1万人程度で整備し、将来的に2万人程度へ拡張可能な「段階整備」を採用する。
当初整備では西側にメインスタンド(約6000席)、東側にバックスタンド(約4800席)の構造体を完成させる。北側、南側には立ち見可能な段床形状のサイドスタンドを設ける。2万人規模に拡張する場合は、メイン、バックの両スタンドの観客席増設や、サイドスタンドの構造体(南側約4000席、北側約3500席)の増設で対応する。拡張後は延べ3万2175平方メートルの規模となる。
当初整備の段階から固定観客席を設置するメイン、バック両スタンドには観客席を覆う屋根を設ける。拡張時には固定席を増設するサイドスタンド側にも屋根を増設し、全面を覆う形にする。
計画案に対する県民意見を10月28日まで受け付け、11月ごろの計画策定を目指す。26年1月ごろに公表する実施方針には、最終的な事業方式や現在精査している整備事業費を盛り込む。入札公告を経て、26年度後半の落札者決定を目指す。設計には1年6カ月、工事には2年10カ月程度を見込んでいるが、今後の事業手続きや物価変動の状況を踏まえて設計・工事期間を見直す可能性がある。
実施方針など事業者募集資料作成業務は、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー・山下PMCJVが担当。