上曽トンネル(茨城県石岡市~桜川市)開通/県内最長3・5キロ、完成祝う

2025年9月30日 行事 [5面]

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 茨城県の石岡、桜川両市をつなぐ県内最長の「上曽トンネル」が27日に開通した。延長は3538メートル。トンネルの開通で両市の移動時間は約半分になる。トンネルは石岡と桜川の両側から掘削。石岡工区は大林組・株木建設・市村土建JV、桜川工区を大成建設・岡部工務店・白田工建JVが施工した。同日の開通式典で大塚秀喜桜川市長は「30年の長い年月を経て無事に開通した」と喜びを語った。
 同トンネルは1990年度に県が調査を開始した。95年度に事業着手したものの、多額の事業費などを理由に途中で休止状態になっていた。事業再開の協議が始まったのは2015年度。両市が事業主体となり、国の財源を活用して20年12月にNATMで掘削を始めた。22年11月に桜川工区の掘削が完了し、23年5月にトンネルが貫通した。
 両市を連絡する上曽峠(主要地方道石岡筑西線)は山岳道路で幅員が狭く、冬季は通行止めとなる。峠越えは車で15分程度かかるが、上曽トンネルを制限速度の時速50キロで走行すると、7分程度で通過できる。
 両市は27日、トンネル完成イベントを開催した。石岡市側のトンネル坑口で交通安全祈願やくす玉開披で完成を祝った。その後、桜川市内で式典を開いた。大塚桜川市長をはじめ、谷島洋司石岡市長、大井川和彦茨城県知事らが出席した。
 谷島市長は「トンネル開通は長年にわたる悲願だった。県内の地域間ネットワークの促進につながれば」と今後に期待した。大井川知事は「県経済の発展にとっても大きな意味がある。県のさらなる発展を目指す」と述べた。