高松市でル・コルビュジエ展が開幕/11月9日まで/大成建設主催

2025年10月6日 行事 [11面]

文字サイズ

 世界的建築家ル・コルビュジエ(1887~1965年)が愛した海との関わりをテーマに創作活動の軌跡を紹介する展覧会「ル・コルビュジエの旅-地中海から瀬戸内海へ-」が、高松市の高松シンボルタワーマリタイムプラザ高松2階で3日に始まった。大成建設が主催。海に触発されて製作した絵画作品「二人の浴女と漁網」「レア」の複製や建築作品の模型などを展示している。入場無料。会期は11月9日まで。
 見どころは、コルビュジエがついのすみかにした地中海を見下ろす崖の上にある「カップ・マルタンの休暇小屋」を原寸大フレームで再現した展示。366センチの正方形に70センチ幅の廊下が付いた10畳ほどの小屋で、コルビュジエの設計思想に基づく「モデュロール」を用いた空間スケールを実物大で体感できる。
 「コルビュジエが高松を訪れたら」という想定で製作に当たった。小屋の外装材に廃棄される丸太の端材を活用したことへのオマージュとして、香川大学が研究開発した廃棄うどんを微生物で再生した紙を外装材に使用。四国産杉材を用い、同社開発の再利用可能な構法「T-WOOD SPACE Light」で小屋軸組みを作った。ものつくり大学が調査、作成した休暇小屋の資料も参照したという。
 展覧会は同社が協賛する「瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)2025」の秋会期に合わせて企画した。2日の内覧会でシンボルタワー開発社長を兼務する和田茂明執行役員四国支店長はコルビュジエの建築理念「人を幸せにする建築をつくる」に共感し、大成建設が1990年から作品を収集してきたと紹介。「コルビュジエはピュリスム(純粋主義)思想を作り上げた。瀬戸芸は現代アートの祭典で親和性が高い」と意義を強調した。
 四国は全国に先駆けて進行する人口減少が課題の一つ。瀬戸芸は交流人口拡大で大きな役割を果たしている。和田支店長は「瀬戸内海、鉄道と交通結節点に位置する高松シンボルタワーに入居する建設会社として何ができるか。四国における未来への挑戦の第一歩」とし、「大学などとの連携を深め、今後もこうしたイベントを開催していきたい」と話した。
 観覧時間は午前11時30分~午後8時。会期中無休。詳細は大成建設のホームページ(https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2025/250805_10587.html)へ。