鹿島は施工延長が短い道路橋の床版取り換え工事に対応し、専用施工機械1台で交通規制期間を大幅短縮する自社開発工法を初実装した。2024年9~10月に広島市安佐南区の「広島自動車道(特定更新等)伴高架橋(上り線)他1橋床版取替工事」(発注者・西日本高速道路中国支社)の2期工事に導入した。施工延長122・1メートルの同工事現場で、1日当たりの取り換え枚数を標準工法の3枚から最大7枚に増加。施工期間を48%減の11日間に短縮した。
7日に発表した。初実装したのは2019年開発の「スマート床版更新(SDR)システム」のうち、施工延長が短い工事に対応する「シングルSDR」になる。
1台の専用施工機械を移動させながら、既設床版の撤去や主桁ケレン、高さ調整、新設床版の架設といった一連工程を連続して実施する。施工機械が同一作業エリアで各工程を順番に行い、床版を1枚ずつ取り換えていく。同社はシングルSDRを「移動式工場」として捉え、さらなる普及を目指す。
一方、施工延長が長い工事の交通規制短縮に向けては、床版撤去機と床版架設機の2台で一連工程を同時並行するSDRシステムの「フルSDR」で対応している。各地で高速道路リニューアルプロジェクトとして道路橋の床版取り換えが相次ぎ計画される中、同社は施工延長や採算、近接する交通インフラ・周辺施設の安全確保などに考慮しつつ最適な工法を提案していく。交通規制の期間や範囲を最小限に抑える技術改良も推進する。