大林組はシールドトンネル工事で炭素貯留型の「CN(カーボンニュートラル)裏込め注入材」を現場に初適用した。炭素を固定化したバイオ炭を裏込め材に使用。従来の裏込め注入材と比べ二酸化炭素(CO2)排出量を約105%削減できる。従来と同等の品質を確保した上で、CO2排出量の実質ゼロ以下を実現した。
大阪府東部流域下水道事務所が発注した「寝屋川流域下水道 門真寝屋川(二)増補幹線外(第1工区)下水管渠築造工事」に、CN裏込め注入材を初めて適用した。バイオ炭とベントナイト系材料を事前に混合したプレミックス品を使用。作泥時にバイオ炭の飛散や混練性不良を発生させることなく、従来と同等の設備、サイクルで施工できた。
プレミックス品でも所定の品質を確保したほか、プラントから切羽への配管圧送時に分離や沈降が生じないことも確認した。
1時間後の一軸圧縮強度やゲルタイム(注入材の作成から硬化までの時間)などの試験を行った結果、いずれも裏込め注入材の目標管理値を満たした。
同社はCN裏込め注入材をシールドトンネル工事に積極的に提案。建設業界のCN推進に先導的な役割を果たし、健全でサステナブルなインフラ構築に貢献していく。