2025年大阪・関西万博(テーマ=いのち輝く未来社会のデザイン)は13日、大阪市此花区夢洲の万博会場・EXPOホール「シャインハット」で閉幕式を開き、4月の開幕から半年にわたる会期を終えた。世界158カ国・地域と七つの国際機関が参加し、2800万人超(関係者含む)が来場。大屋根リングをはじめとした先進木造建築やインフラ整備など建設技術の粋を結集した会場は、未来社会の実験場として次代へと受け継がれる“レガシー(遺産)”を残して幕を閉じた。=1面参照
式典は「Countdown to the Futures(未来へのカウントダウン)」の映像で幕を開け、日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長が開式を宣言。大阪すみよし少年少女合唱団による国歌斉唱の後、十倉雅和会長が「世界は多様でありながら一つであることを再認識できた。万博で得た感動を次代につなげていく」とあいさつした。
万博の歩みを振り返る映像「Moments of All Lives in EXPO2025」ではパビリオンの建築美や来場者の笑顔が映し出された。
続いて吉村洋文知事が「夏の暑い日も雨の日も頑張ってくれた3万人のボランティア、会場の安全を守った警備員、命と健康を支えた医療従事者、そして来場者すべてにありがとう。皆さんのおかげで世界が一つになれた」と感謝を述べた。石破茂首相は「開幕前は準備への懸念もあったが、参加者と関係者の力で乗り越えられた。連帯と寛容を体現した博覧会は新しい日本の幕開けを示した」と締めくくった。
その後、BIE(国際博覧会事務局)のアラン・ベルジェ総会議長が「大阪・関西万博は逆境を跳ね返すレジリエンスの象徴となった」と称賛し、30年リヤド国際博覧会などへの旗の引き継ぎが行われた。
秋篠宮皇嗣殿下は「多くの人々がここ夢洲に集い、共通の課題を考える機会となった。体験が次世代へ受け継がれることを願う」とお言葉を寄せられた。最後に伊東良孝国際博覧会担当大臣が「大阪・関西万博宣言」を発表し、成果の継承を誓った。
同日、万博公式キャラクター「ミャクミャク」は内閣総理大臣賞を受賞した。
閉幕後、大屋根リングは一部保存と残り部材の再利用を予定。木材の一部は能登半島地震の被災地の災害公営住宅に活用される。