道路舗装会社が高速道路の老朽化対策や長寿命化などに貢献する技術開発に注力している。高速道路関連の最新技術を発信する「ハイウェイテクノフェア2025」(主催・高速道路調査会ら)が16日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開幕=写真。施工や維持管理の作業効率を高めつつ、高耐久で環境負荷が低減できる舗装や橋梁床版の取り換え・補強技術を各社がPRしている。会期は17日まで。
ハイウェイテクノフェアには、ゼネコンや建設コンサルタント、建設機械メーカーなど幅広い業種の建設関連企業が出展。道路舗装会社は▽大林道路▽ガイアート▽鹿島道路▽世紀東急工業▽大成ロテック▽東亜道路工業▽NIPPO▽日本道路▽福田道路▽前田道路▽三井住建道路-などが出展した。
高速道路のリニューアルプロジェクトに対応し、高速施工が可能な床版の取り換え・補強技術を出展する社が相次ぐ。大林道路は超高性能繊維補強セメント系複合材料を用いた床版補強工法を紹介。床版の上面増厚で勾配があっても薄層で打設ができる。
道路舗装会社で特に出展が多かったのが、長寿命化や環境などの機能性を重視した舗装技術だ。ガイアートは多機能型排水性舗装として、表面付近に排水機能、砕石マスチック舗装の防水機能を下部に持つ新しい縦溝粗面型ハイブリッド舗装を紹介。鹿島道路は、水をかけ締め固めるだけで手軽にアスファルト舗装を補修できる袋詰めの高耐久性常温アスファルト合材をPRする。
東亜道路工業は、床版防水性能を持つ舗装を構築する「タフシャットRA工法」を出展。床版上に特殊な植物系熱可塑性樹脂でつくる接着防水材を多量に塗布し、アスファルト合材を舗設する。コンクリートまたは鋼構造の床版ともに適用できる。NIPPOは、アスファルトの製造・施工温度を最大30度程度下げても品質を確保し施工がしやすい技術を紹介。アスファルト内に少量の水を噴霧し発生させた微細な泡のベアリング効果を利用する。
日本道路は、廃PET(ポリエチレンテレフタレート)素材を利用した高耐久のアスファルト合材を打ち出す。国内外の廃ペットボトルなどのごみ問題にも貢献していく。福田道路は、短期間で施工できる加熱不要の舗装継ぎ目用防水テープを紹介した。前田道路は、橋面防水舗装の部分補修材を出展。床版防水層であるグースアスファルトの小規模補修に適している。三井住建道路は、全天候対応型常温合材や貼り付けタイプの補修材などを出展している。
舗装に関連し、世紀東急工業はアスファルトフィニッシャーの遠隔操作・自動操舵(そうだ)技術を提案。オペレーターの運転搭乗を不要とする。大成ロテックは、東日本高速道路会社と開発した逆走対策技術を紹介。ウェッジ(くさび)型の非対称ハンプを設置し、ICランプやSA・PAなどから逆走すると振動と音でドライバーに誤進入を知らせる。