回転窓/「サナエノミクス」に期待

2025年10月22日 論説・コラム [1面]

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 高市早苗首相率いる新内閣が21日に発足した。憲政史上初の女性首相。日本維新の会が閣外協力で連立に加わり、久々に政治が安定へと向かう兆しも見えてきた▼「サナエノミクス」と称される高市内閣の経済政策は、安倍晋三元首相の「アベノミクス」が掲げた積極財政の路線を一段と鮮明にする。株価の上昇は政策への期待を映した動きとも言えよう。金融緩和と財政出動の両立をどう持続させるか、早くも真価が問われる▼建設業界も公共投資の動向を注視している。今年も各地で台風や豪雨による災害が相次ぎ深刻な被害が出た。災害に強い国土を築き、持続可能な成長を支える基盤を整えることは、いつの時代も政治の最も重い責務だ▼国土強靱化対策の事業費は補正予算に大きく依存してきた。災害対応を迅速、確実に進め、施工体制を確保するには、当初予算での計上が不可欠だ。計画的な財政運営で担い手の確保や技術継承にもつなげていくべきだろう▼2026年度には第1次国土強靱化実施中期計画が始動する。高市首相が掲げる「強い日本」の実現に向け、現場に寄り添った実効性ある政策を示してほしい。