高市内閣で国土交通相に就任した金子恭之氏が22日に初登庁し、記者会見で「国民の命と暮らしを守り、経済成長や地域の生活、なりわいを支えることに全力を尽くす」と抱負を語った=写真。金子氏は2008年、金子一義国交相の下で副大臣を務めており、国交行政への理解は深い。「公明党をはじめ、これまでの大臣が進めてきた政策をしっかり受け継ぎ、道半ばの取り組みも丁寧に引き継ぎながら前に進めたい」と述べた。
国交省は1月に発足から25年を迎えた。高市早苗首相からは、防災・減災や国土強靱化の推進、老朽インフラ対策の加速などを指示されている。地方を含む交通・物流網の整備やインフラシステムの海外展開の推進も重要課題となる。
金子氏は「国交行政は社会資本整備、交通政策、観光政策、海上保安など非常に幅広い」との認識を示した上で、「いずれも国民の命と暮らしに直結する。職責を全うしたい」と決意を語った。
経営難が続くJR北海道への支援については「経営改善の結果を踏まえ、必要な支援の在り方を検討する」と述べた。整備財源を巡る議論が続く九州の整備新幹線に関しては「新幹線整備の必要性や重要性を地元の方々に丁寧に説明し、佐賀県との間でも議論を進めていく」とした。
発生頻度が増し、被害規模も大きくなっている自然災害にも言及し、「災害を未然に防ぐための対策をより加速したい。被害を防ぐには事前防災にしっかり取り組むことが大事だ」と強調。流域治水や施設の耐震化、再度災害防止策の強化に意欲を示した。
地域政策では、二地域居住の推進や地域の担い手不足、生活利便性の確保などを喫緊の課題に挙げ、「活力ある地域づくりに向け、交通インフラ整備や地域の暮らしを支える政策を推進したい」と語った。