戸田建設とGRIFFY(東京都千代田区、入澤拓也社長)は、AIで工事車両を即時に検知し、建設現場の出入りを制御するシステムを開発した。道路を走る全車両から工事車両が特定できる「特定マーカーAI検知モデル(AIカメラモデル)」を導入。救急車など緊急車両のサイレン音を検知し、工事車両の出入りを制御する「音声AI検知モデル(AIマイクモデル)」と組み合わせて運用する。交通量が多い幹線道路付近の現場などで適用し、交通災害ゼロを目指す。
AIカメラモデルは、工事車両出入り口の手前に設ける一般車両向けのLED予告看板と、屋外対応の高性能AIカメラで構成する。工事車両に取り付けた特定マーカーを即時に画像認識して看板表示を切り替え、後続の一般車両に工事車両の存在を伝えて減速を促す。出入り口にある回転灯も点灯し、ガードマンに注意喚起する。
AIマイクモデルは、工事車両出入り口の集音マイクが約100メートル手前を通過する緊急車両のサイレン音を検知。出入り口に設置した回転灯や遮断機も作動し、工事車両の出場を一時停止し、緊急車両の通行を確保する。
戸田建設は、新システムを救急病院に隣接した現場で実証。三方向から通過する救急車の映像と音声を記録し、AIの教師データに使った。当初はAIカメラモデルの正解率が36・4%、AIマイクモデルは18・9%と低水準だったが、改良を重ねAIカメラモデルで99・4%、AIマイクモデルも98・1%まで精度を高めた。










