国土技術政策総合研究所(国総研)と近畿地方整備局大規模土砂災害対策技術センターは17日、奈良県十津川村でヘリを活用した大規模河道閉塞(へいそく)の計測訓練を行った。GPS(衛星利用測位システム)機能付きデジタルカメラを使い上空から河道閉塞と仮定した箇所を連続撮影。その画像を基に3Dモデルを作成し、閉塞の高さや形状を計測する全国初の訓練となる。
計測訓練は国総研土砂災害研究部が土木研究所の協力を得て、2013年から実施している「高度な土砂災害対策に従事する地方整備局等職員の育成支援プログラム」の一環。北海道開発局と各地方整備局の職員が参加し、11年9月の紀伊半島大水害で河道閉塞が形成された十津川村赤谷地区などを対象に訓練を行った。
同村上野地にあるヘリポートを飛び立ったヘリが河道閉塞形成箇所を中心に旋回し、GPS機能付きデジタルカメラやスマートフォンで連続写真撮影(おおむね毎秒1回の等間隔)を実施。3Dモデルの作成では、撮影した位置情報付き写真を事前にノートパソコンに読み込んだ後、3D形状復元(SfM)ソフトを起動して写真データをアップロードし、3D作成処理を行った。作業時間は40~50分だった。
従来は職員がレーザー距離計を用いて河道閉塞規模を計測。迅速な計測が可能だが、職員の習熟度合いで精度に差が見られるなどの課題があった。新技術を活用した新たな計測手法を導入することで、計測の簡便化などが期待されている。









