日本最大級の建築イベント「生きた建築ミュージアムフェスティバル(イケフェス)大阪2025」が25、26日に開かれた。普段は一般公開していない建築物や、建築団体やゼネコン・設計事務所の展示、ワークショップ(WS)を目当てに多くの建築ファンが訪れ、建築の魅力に触れていた。
大林組は旧本店ビル「ルポンドシエルビル」(大阪市中央区北浜東)で、22年までレストランとして使用されていた1階(客席)と2階(宴会場)を特別公開した。増築部(西館)を含む同ビル建設の背景や導入技術などをパネルで展示。石田潤一郎武庫川女子大学教授によるギャラリートーク、館内のガイドツアーなども行われた。
竹中工務店は本社が入る御堂ビル(大阪市中央区本町)で、多彩なWSを開催。多くの子どもたちも参加し、ラジコン重機やミニバックホウを操縦してお菓子をゲットしたり、模型を使って地震に強い建物を作ったり体験型のイベントを楽しんでいた。写真展「あなたの知らない建設現場」やガイドツアーなども開いた。
日建設計(大阪市中央区瓦町)は「時代を彩った建築」をテーマに大阪府立中之島図書館や東京タワー、中之島フェスティバルタワーなど創業期から現代に至る作品図面を展示。内外装やホールなどに木材を採用した高槻城公園芸術文化劇場の概要や2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)会場の3Dアーカイブも公開した。
日本設計(大阪市中央区高麗橋)は、同社のロゴマークピースを参加者が建築物として重ね合わせ、自由な発想で大阪の都市模型に重ねていくWSを開催。屋外に設けたカフェコーナーと合わせて来場者でにぎわっていた。
安井建築設計事務所(大阪市中央区島町)は紙建築を製作するWSや、関西・大阪21世紀協会(崎本利樹理事長)が展開するインクルーシブアート「アートビレッジ」と協働した特別展示を開いた。障がいを抱えるアーティストによる絵画と同社の建築作品から共通項を引き出し、並べて展示する試みを実践した。
東畑建築事務所(大阪市中央区高麗橋)は、大大阪時代から100周年の節目に「清林文庫」から大阪や関西の絵図、古地図、パノラマ図などを一般公開。都市の成り立ちと変遷を紹介した。このほか大阪・関西万博「大阪ヘルスケアパビリオン」の概要や、刊行書籍も展示した。
久米設計(大阪市中央区本町)は、企画展示「機能と熱狂を両立するスポーツ施設デザイン」を開催。2月にオープンした阪神タイガース2軍本拠地「ゼロカーボンベースボールパーク」のほか、同社が手掛けた数々のスポーツ施設を模型やパネルで紹介した。
昭和設計(大阪市北区豊崎)は、大阪・関西万博EXPOホール「シャインハット」など近年の作品をパネル展示。WSでは「つくる・建てる」楽しさを体験してもらおうと、来場者が紙コップでつくった建物が集まって一つの大きな「まち」になる「紙コップシティー」を開いた。
日本建築協会(指田孝太郎会長)は25日、大阪市中央公会堂(中央区西心斎橋)を出発し、中之島を中心に大大阪時代や現代の建築を巡るスペシャルツアーを開催し、33人が参加。一行は3グループに分かれ講師の説明を聞きながら、大阪府立中之島図書館などの建築群を見学した。









