渋谷区神南一丁目再開発/ビルは延べ10.8万平米/準備組合

2025年10月28日 工事・計画 [3面]

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 東京都渋谷区の神南一丁目地区で計画している民間再開発で、建設を予定するビルの高さが約145メートル、延べ10・8万平方メートル規模で検討していることが分かった。神南一丁目地区市街地再開発準備組合が区に施設規模などを提案した。低層部に商業・情報発信施設が入り、中層部は事務所、高層部が宿泊施設になる計画。2026年度の都市計画決定を想定し、建設工事を含めた事業期間は29~33年度を予定している。準備組合には東急不動産が参画している。
 建設地は渋谷駅北西の神南1。約1ヘクタールの敷地は公園通りと神宮通り・ファイアー通りに囲まれている。東西方向で高低差があるため、ビルの正面玄関を西側の公園通り沿いか、東側の神宮通り沿いにするかは固まっていない。西側を正面にする場合は地下4階地上24階建て、東側の場合は地下2階地上26階建てになる。
 準備組合や地区内の渋谷公園通商店街振興組合は、現状のまちの課題として▽東西動線の不足▽荷さばき車両による通行支障▽滞留空間の不足-などを挙げている。
 再開発で課題を解消するため、24時間通行可能な東西貫通通路を整備する方針。通路は再開発ビルの敷地を通り抜ける想定で、安全な歩行者動線を確保する。
 都は同地区の再開発を9月5日、都市再生プロジェクトとして内閣府に提案した。都市再生特区の指定を受け、大規模開発を円滑に進める狙いだ。準備組合の再開発ビルの建設に加え、区は既存インフラ施設のリノベーションも想定する。まちの個性やにぎわいを創出しつつ、渋谷駅からの回遊を高める。